第69回研究会(日本地理教育学会シンポジウム)を開催しました

1)日 時:  8月21日(土) 14:00-16:00(Zoomでの会議形式で開催 )

2)テーマ:  グローバルな地理教育で問われる見方・考え方 システム思考で地理を学ぶ

3)趣旨:

 資本主義による格差や気候変動の問題が顕在化している現在、「システムの転換」が求められている。またその対策であるSDGs(持続可能な開発目標)では、問題のつながりや階層性が指摘された上で、各種の問題の同時解決が目指されている。こうした現代的な諸問題の理解ならびに解決には、事象をつなげて捉えるシステム思考が欠かせない。地理教育では従来よりつなげる視点は保持しているが、現代的な問題に向き合うためには不足している視点もある。本シンポジウムでは、システム思考の理論とともに中高での授業実践を報告し、議論を深める。

4)プログラム:

 14:00~14:05 趣旨説明 山本隆太(静岡大学)

 14:05~14:20 報告1 梅村松秀(ERIC国際理解教育) 幼少期におけるシステム思考のスキル・能力の育成

 14:20~14:35 報告2 長谷川正利(桐蔭学園) 中学生にループ図描画でシステムアプローチ ―世界地誌「アメリカ合衆国」での実践―

 14:50~15:05 報告3 田中岳人(同志社女子中高) 関係構造図を用いて解決策を考える―「アラル海の縮小」を事例として―

 15:05~15:20 報告4 金田啓珠(山形県立東桜学館高等学校) 将来の地域のあり方を関係構造図を用いて考える ―山形県上山市の事例―

 15:20~15:30 コメンテーター 金玹辰(北海道教育大学)

 15:30~15:55 総合討論

  15:55~16:00 総括 阪上弘彬(兵庫教育大学)

・絵本にみるシステム思考

・幼小の段階におけるシステム思考の研究はトルコ・ドイツ、イスラエルなどで先行研究あり

・ループ図を使った学習

・関係構造図を使った学習:地球的諸課題

・関係構造図を使った学習:生活圏

 

質疑

・地図の活用、場所の理解は?

Q1. システム思考と問題解決はどのような関係であるのか。

Q2.システム思考を促すためにどのような工夫が必要なのか?

Q3.システム思考において、(力強い)地理的知識はどのような役割を果たしているのか?

・システム思考を図るのか(=プロセスを評価)、システム思考の結果を図るのか(=形成された認識を評価)、あるいはその両者なのか

・システム思考を育成・活用できるために教師は何が必要?(≒教員養成・研修に携わる人には何が必要、何をなすべき?)