第43回研究会を行いました

  • 研究会の中間的な報告について議論した
  • ドイツ地理教育における気候変動をテーマとしたシステミックな学習教材を取り上げた
  • システムについて議論した

2018年の研究会動向の報告

研究会

  • 37th 4月28日 専修大学神田キャンパス:システム図について(中村)ほか
  • 38th 5月27日 高田馬場:実践報告について(長谷川,吉田)ほか
  • (日本地理教育学会6月例会)
  • 39th 9月1日 桐蔭横浜大学神谷町キャンパス:Embeddingについて(阪上,梅村)ほか
  • 40th 9月28日 専修大学神田キャンパス:招待講演 システム思考を視座とする地理学的研究の展開(堀信之東京都立大学名誉教授)
  • (地理科学学会35thシンポジウム)
  • 41th 11月25日 日本地理教育学会11月例会
  • 42th 12月28日 飯田橋:コンパス教育について(泉,阪上ほか)他
  • (日本地理教育学会1月群馬例会)

連載継続

 

第36回研究会を行いました

2つの授業実践について検討しました。

・泉実践

・今野実践

第35回研究会を開催しました

日時平成30年2月25日(日) 9時から15時

集合

ジオツアー)9時三島駅南口改札前~三島駅南エリア

研究会)13時三島市民文化会館3階第1会議室

参加者)関東・静岡の地理教員と大塚先生の計18名

海外地理教育におけるシステム

(1) アメリカ:環境教育教材PLTアクティビティガイドに示されたシステム

PLTが提唱する環境教育は、①多様性、②相互依存、③システム、④構造とスケール、⑤変化のパターン、の5つの概念をもとに構成される。

システムは「環境、技術そして社会的システムは緊密につながり、相互に作用し合う」と定義され、環境、資源管理と技術、社会の3つの側面との関わりに焦点をおく。

小中学校指導者を対象とした『木と学ぼう』所収、「植物の育ち方」は、②、③、④の概念を展開する活動案である。システムを主題とした場合、環境の側面、「③-1.生物的システムにおいては、エネルギーの流れ及び物質は予測可能なパターンで絶えず循環する」を展開する事例として提示される。

活動案、4種の苗木の成長を光、水、土という3条件のもとで観察活動は、理科的内容にそうものだが、苗木の成長を阻害する要因として、日光や空気など大気、水、ミネラルなど土、植物、動物、さらに人為的条件などとの関わりが問いかけとして展開されるとき、植物の成長は環境。技術、社会システムとの関わりのもとでの探究活動となる。

事例「動きのパワー」は、技術システムとしての交通機関の発達が、地域の環境にどのような影響をもたらしたか。社会システムとしての民主主義は、地域住民にどのような視点、行動を要請するのか。提起される学習活動は、地域の交通システムに対するニーズと利便性、地域の未来に向けての交通システムの計画、提案である。

PLTが提起する環境学習は国語,芸術,社会科など学校での扱いのみならず、林業、行政など地域の専門家をも含む幅広い層に支持される背景として、環境に対する明確な概念を提示することにある。

 

(2) イギリス:ケンブリッジ地理プロジェクトに示されたシステム

学習者向けにシステム理解を記す例として、ケンブリッジ地理プロジェクト「世界の地理 コアブック」(1997) から、単元「地理とエコロジー」における扱いを紹介する。
リード文「自然環境はシステムの集まりとして探求することができる」として、「生命体としての樹木」が自然システム例として示される。他方、人工的なシステムとして、プレーヤー,チューナー,アンプ,スピーカーなどからなる「ステレオシステム」は、要素間がエネルギーの流れで関連付けられたシステムである。
すなわち、
①電源を入れることでプレーヤー等に電気エネルギーが入力され,
②読み取られたCDの情報が電気エネルギーに変換され,
③アンプで増幅された後,
④スピーカーで音エネルギーとして出力されるシステムである。
カラオケなどでマイクをスピーカー部分に向けたときにおこるハウリング現象は,音がマイクからの入力と,スピーカーからの出力を繰り返すことで起こる。
これはシステムの振る舞いとしてのループ,あるいはフィードバックと呼ばれる現象を示すものだ。 

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第34回研究会を開催しました

発表 田中岳人(早稲田大学大学院):アラル海の枯渇(地球的諸課題)

 

メモ アラル海の枯渇に関する問題を,関係構造図を用いて構造の把握(システマティックな理解)をした上で,シナリオアプローチによる時間軸を入れた構造のパターン(システミックな思考)を検討した学習事例。計6時間を使って実施。

質疑では,開発コンパスを使うことの可能性や構成主義的な学習に関する指摘がなされたが,関係構造図には地理特有の自然と人間という見方を育むという点があることや(開発コンパスだと自然:人間が1:3でバランス悪い),構成主義的なアプローチでは見えてこない部分があること(見えない部分にこそ問題が宿る)を意識化する点にメリットがあることが議論された。

特にESDが意識されるようになった昨今では,全体を俯瞰することが欠かせない(持続可能という規範を意識することも欠かせない)。

環境問題は自然環境を対象として取り組み,開発問題は社会や経済を対象とするという縦割り的な取組みは,「見えていない部分」をつくる点が大きな欠点であった。また,「とりあえず見えている範囲の事柄を整理して考える」という実践可能性を高めるための枠組みは,「見えないところで起きる副作用」を予知していない点で俯瞰性を欠いており,ESDではないだろう。それならば,かつての狭義の環境教育や開発教育と変わらない。
以上に加えカリキュラムの視点から整理する必要性やムーミン問題等について,懇親会含め議論した。